「参院改選過半数」を奪い安倍政権を終わらせる!
2018年12月号
POLITICS [キーマンに聞く!]
1962年生。同志社大法卒。松下政経塾入塾。京大院修士。1998年参院初当選(京都選挙区。当選4回)。参院外交防衛委員長、外務副大臣、内閣官房副長官などを歴任。結党2日後に入党し、初代幹事長に就く。
――結党から丸1年、衆参両院で野党第一党になりました。
福山 結党前夜、私は枝野(幸男)さんと向き合い、新党立ち上げの決断を迫っていました。翌早朝、「やりましょう。名前は立憲民主党です」と電話があり、その場で午後5時から枝野さん単独の結党会見の段取りを決めました。2日後、私が入党届を提出すると、枝野さんから「幹事長を」と言われました。お金も時間も何の見通しもない。初めは「15人の現職が生き残ってくれたら」と祈るような気持ちでした。それが望外の票をいただき、小なりといえども野党第一党の衆院議席を獲得することに――。あの選挙以来、私は「勝った」という表現を使っていません。有権者から「55議席、1100万票」という大きな力をいただき、一度死にかけた候補者たちを救ってもらったのです。「立憲民主党はあなたです。」というスローガンに込められた思いは、国民の力によって救われた我が党のアイデンティティそのものです。一方、私一人でスタートした参院会派も多くの仲間を迎え入れ、10月初めに24人の野党第一党になりました。ゼロから立ち上げた地方組織も37を数え、所属の地方議員も500人を超えた。4月の統一地方選までに、何とか全都道府県に地方組織を作りたい。
――前回(13年)の参院選で31ある1人区で自民党は29勝2敗。野党はほぼ全滅でした。
福山 来夏の参院選では、野党第一党の責務として複数区は独自候補を立て、1人区では野党が候補者を一本化するべきという方針は変わりません。沖縄県知事選の勝利は大きかった。野党が力を合わせれば、強大な自公を打ち負かせる。勝利の方程式が見えてきました。5年前に大負けした野党にとってチャンスです。
――しかし、野党候補の一本化はまるで進んでいません。
福山 現職候補がいないため、多くの新人を擁立しなければなりません。手間がかかっていますが、4月の統一地方選までに一本化したい。32の1人区には32通りの地元と向き合う取り組みが必要です。野党第一党の幹事長として、候補者一本化の汗をかきます。
――共産党と折り合えますか。
福山 1人区で野党が割れたら勝ち目がない。共産党とは国会活動で共闘しており、参院選で与党を大負けさせ、3分の2を割らせて改憲を阻止する目標も同じです。互いにリスペクトする関係にあり、野党連携の中で自ずと答えが出るでしょう。
――国民民主党とのわだかまりを心配する向きもあります。
福山 我が党は、有権者に救ってもらった「新しい政党」です。パートナーズ制度を作り、全国各地でタウンミーティングを開き原発ゼロ基本法を作るなど、これまでと全く違った政党の形が生まれつつあると考えています。旧民進党を引き継ぐ国民民主党とスタンスが違うのは当たり前。わだかまりはありません。
9月の自民党総裁選で地方票の「安倍離れ」が顕著となり、長期政権への飽きもあり、無党派がじわじわと増えています。「オール沖縄」方式で野党が力を合わせ1人区で大勝し、参院改選議席の過半数を奪い、安倍政権を終わらせたいと思います。
(聞き手/本誌発行人 宮嶋巌)