2018年2月号 連載
勇気ある内部告発者や真実を伝えようとする個人が、権力や企業から狙い撃ちされるスラップ訴訟が増えている。心配ご無用などとは言えないが、私たちは昨年、元市長(東京・国立市)に理不尽に課された4556万円の賠償金は元市長ひとりで払う筋のものではないと考え、全国にカンパを呼び掛けて9カ月で集めきり、債権者の国立市に全額を払った。高層マンション建設による開発から景観を守ろうとしたのは市民であり、景観保全を公約に掲げた上原公子元市長ひとりに責任を押し付けるのはおかしいと考えての運動だった。
この呼びかけは予想を超えて全国に広がり、約5千人が送金くださった(詳しくは『国立景観裁判・ドキュメント17年』)。カンパに添えて司法への怒り、地方行政への疑念、そして運動への激励が多く寄せられた。その中には訴訟リスクに晒されている方から「自粛しないでいきます」との宣言もあって嬉しかった。
FACTAはスリリングな情報誌である。地域で活動する私に「いま」を教え、「なぞ」を解く鍵を示す。今年も付いていきます!
上原景観基金1万人の会事務局長
前国立市議 小川ひろみ