日大の田中理事長が「4選」橋本姉弟の我が世の春

2017年12月号 DEEP [インサイド]

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9月10日に日本大学の田中英壽理事長(70)の「4選」が決まり、異例の長期12年政権がスタートした。大学の工事受注業者から約500万円を受け取った疑惑や、山口組6代目の司忍組長とのツーショットが海外メディアで報じられ、国会でも追及を受けたが、権力の座はビクともしなかった。筆頭理事から理事長代理・代行者に就任した石井進氏(77)を除く全ての常務理事が交代し、内田正人(62、人事)、井手達雄(62、財務)、服部史郎(63、企画広報)、大里裕之(56、管財・日大事業部連携推進)の4氏が常務理事に昇格した。しかし、関係者が仰天したのは、評議員になったばかりのQ氏が理事に抜擢されたことだ。

田中理事長に気に入られたQ氏が「理事長付相談役」の名刺を振りかざし、日本大学事業部の立ち上げから運営を任され、学部・学科の物品等の共同調達、業務委託の共同化、各種システムの集約を推進したことはよく知られている。その一方で、納入業者にキックバックを強要するコワモテぶりが物議を醸し、ただならぬ来歴を知った大手企業が手を引くなどトラブルが絶えなかった。

ところが、Q氏に惚れ込んだ田中理事長はどこ吹く風。10月の理事会で、理事長自ら「大学全体で施設・業務の効率的運用を図るため、窓口を大学事業部に一本化する」と宣言し、Q理事の立場は盤石となった。本来、上司に当たる大里常務理事兼総務部長は全く頭が上がらず、「Qのイエスマン」と揶揄される始末。さらに、広報担当となった服部常務理事も、日大の広報プロジェクトを仕切る広告代理店、エルフ・エージェンシーの橋本稔子社長の言いなりだ。というのも、橋本氏とQ氏は姉弟であり、彼女が理事長夫人の優子さんの大のお気に入りであることを知らぬ者はない。本部職員は「Qさんより怖いアンタッチャブルな存在です」と声を潜める。元評議員は「橋本の告げ口で担当部長らのクビが飛んだことがあり、エルフが持ち込む案件は、何でも言い値で通るようになった」と嘆く。理事長夫妻に取り入った姉弟の我が世の春がいつまで続くのか。

   

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