「写実」という謎への旅

野田弘志とホキ美術館のたくらみ

2017年9月号 LIFE [美の来歴 第1回]

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「世界にまれな写実絵画の専門美術館」を謳った「ホキ美術館」は2010年、バブル時代に「チバリーヒルズ」などと呼ばれた千葉市土気の住宅地のなかに、「昭和の森」の緑に接して開設された私立の美術館である。地上と地下に三層を持つ長方形の回廊型ギャラリーは、灰色の鋭い外構がそのまま中空に跳ねだした印象的な建築で、背景の緑のなかにポストモダン風の独特の存在感を漂わせている。収蔵作品は約450点を数え、森本草介、野田弘志、中山忠彦といった現代日本を代表する写実画家の静物、人物、風景など150点が常設展示される。ホキ美術館の創設者で今年86歳になる保木将夫は、もともと文具小売業から身を起こして医療用機器メーカー「ホギメディカル」を創業した企業家だが、20年近く前に森本草介の「横になるポーズ」と出会って以来、現代日本の写実絵画に惹きこまれて鑑賞と蒐集に没入した。蒐集し ………

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