「野党共闘」の前哨戦!国立市長選に有力女性候補

2017年1月号 LIFE

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小川ひろみ候補

現職市長の死去に伴う国立市長選(12月18日告示、25日投開票)が新人候補による白熱した戦いとなり、衆院選の野党共闘を占う前哨戦として全国から注目されている。戦いは、市民団体「くにたち大学通り景観市民の会」共同代表で元国立市議の小川ひろみ氏(53)と同市副市長の永見理夫(かずお)氏(67)の事実上の一騎打ち。

小川候補は「貧困ゼロの街、国立」、「いのちにこだわる政治」を掲げ、共産党、社民党、自由党の推薦に加え、民進党と生活者ネットワークが支援に回るかが鍵を握る。三多摩地域26市の中でも悪い方に入る同市の待機児童率を改善し、共働きの子育て支援策に全力で取り組むと意気込む。高齢者福祉施策充実や、全国の中でも高い同市の65歳以下の自殺率を減らす施策、官製ワーキングプア対策などを訴える。同氏は津田塾大学大学院に学び、地域政党「生活者ネットワーク」の国立地域の事務局長などを経て、2007年に国立市議選に初当選し、2期務めた。景観保護と市民自治を掲げた上原公子(ひろこ)元市長の「愛弟子」。上原氏といえば、景観問題をめぐるマンション訴訟に連なる求償権訴訟で同市から訴えられ2審で逆転敗訴し4300万円の支払い命令を受け、最高裁に上告するも、12月13日に上告棄却で判決が確定。景観保護の政策を遂行した首長個人への巨額賠償命令に憤慨する小川氏は、上原氏支援活動の中軸を担ってきた。子宮頸がんワクチンの副反応による被害者への支援など、小川氏のフットワークには定評がある。

一方、永見氏は同市役所の企画部長などを経験した老練な行政マン。自民党や公明党などの推薦を得て、同じく市職員出身の故・佐藤一夫市政の継承を訴え、弔い選挙に徹する。故・佐藤市長の推薦人代表を務めた新田國夫・日本臨床倫理学会理事長(国立市医師会会長)が永見氏の記者会見に同席するなど地元の保守系組織・団体の後押しを受けている。チャレンジャー小川か、行政マン永見か、「クリスマスの夜」に決する。

   

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