日本会議系の「意見広告」に神経を尖らせる新聞各社

2017年1月号 BUSINESS [インサイド]

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「年明け解散」の観測が広がる中、新聞各社は日本会議の動きに神経を尖らせている。旧聞に属するが、7月10日の参院選挙投票の数日前、地方紙や全国紙地方版など8紙の朝刊に、「自衛隊員の皆さん、ありがとう!」と題する意見広告が一斉に掲載された。同広告は、共産党の藤野保史政策委員長(当時)が、6月のNHK番組で述べた「防衛予算は人殺し予算」を槍玉に挙げていた。

8紙とは東奥日報、デーリー東北、読売新聞宮城県仙台圏版・新潟県版、福島民報、福島民友、中日新聞三重版、愛媛新聞、産経新聞福岡版。広告主は「自衛隊に感謝する○○県民有志の会」。○○には新聞社が所在する県名が書かれていた。

読売新聞宮城県仙台圏版に掲載された意見広告には「自衛隊に感謝する宮城県民有志の会」の団体名が記され、同会の代表者名と連絡先は、日本会議宮城県本部仙台支部の事務局と一致し、日本会議の別働隊である「美しい日本の憲法をつくる宮城県民の会」とも重なっていた。日本会議は安倍首相の改憲路線を後押しする右寄り団体として、近年存在感を増している。

読売仙台圏版と異なり、河北新報(仙台市)は意見広告の内容が選挙運動に該当し、同紙の掲載基準に抵触すると判断。宮城県民有志の会に対して文書で「政治活動の範囲を超えて選挙運動にわたるもの」として、掲載できないと回答した。これに対して有志の会側は、河北新報社の一力雅彦社長宛てに公開質問状を送り、「意見広告の内容のどこが選挙運動に当たるのか」と、最高裁判例まで持ち出して質した。さらに7月6日付で朝日新聞に掲載された、自民党の選挙公約批判の意見広告を引き合いに出し「朝日新聞社と貴社は意に反するものは封じ込める考えが共通」していると非難した。

年明けに同種の意見広告の申し込みが来るのではないかと、新聞各社は戦々恐々だ。

   

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