2016年4月号 連載
数年前FACTAを手にした時は、「よくあるアラ探しをしている雑誌か」と、大して気にもとめないですませていた。仕事も多忙で、あまり社会に目を向ける余裕がなかったのかもしれない。
それから仕事も一段落し、久々にFACTAに目を通すと……「こんなことまで突っ込んで大丈夫なのか、すごいこと書いてるな!」と思わず息を呑んだ。この数年間、私も社会のしがらみの中で、様々な想い、口に出せぬ不満、そして不条理な体験をしてきた。そんな中で、FACTAの記事は爽快ですらあった。
広告をほとんど載せず、あくまでも事実を追及しようとしているストイックな編集方針は、思わず幕末の志士達の姿に重なった。
しかもLIXILを執拗に追いかける発行人のブログの迫力は、調査報道を軸とする「FACTA」の名にふさわしいと感じた。
この捉えどころの無い現代という世の中において、FACTAの灯が今後とも灯し続けられることを祈念してやみません。
東京都・中学校教員 嶋田健二