2015年7月号 連載
雑誌編集者として、14年前に名誉棄損の被告になった。原告はワールドメイト(WM)で、一審は原告請求棄却、二審で和解となった。それ以来WMに訴えられた出版関係者、弁護士らと「WM被害救済ネットワーク」を設立し、活動を続けている。
WMと深見東州(半田晴久)氏の活動を追って10年以上になるが、ここ数年の新聞広告掲載回数の急増ぶりは、異様である。新聞購読者のほとんどは深見氏を知らないだろう。
宗教法人のリーダー、慈善活動、多彩な文化活動を展開するマルチ人間として、深見氏は存在を誇示している。しかし、新聞記事に登場することはない。なぜ記者は取材して記事にしないのだろうか。
そんなときファクタ6月号が「深見『ワールドメイト』の錬金術」を掲載した。調査報道で他紙誌を圧倒するファクタには続報を期待したい。
大手各紙にとって深見氏は、このご時勢に繰り返し大広告を出稿してくれる上得意ではあろうが、報道ではまたしても「素知らぬ顔」をして、ファクタの後追いをするのだろうか。
編集者 志村昌彦