公共工事「脱談合」へ官民の協議会が発足

2015年7月号 BUSINESS [インサイド]

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東日本大震災の復興需要を機にまた公共工事の競争入札が事実上の談合に舞い戻ってしまったが、このままでは旧態依然の建築業界が世界に後れを取るばかりだと、官民の発注者と受注者が5月29日、東京の学士会館に集まって、「建設プロジェクト運営方式協議会」を設立した。

音頭を取ったのは前国土交通省参与で愛知県政策顧問を務める植村公一氏(インデックス・コンサルティング代表)で、会長は椎名武雄氏(日本IBM名誉相談役)、役員には森章氏(森トラスト社長)、小崎哲資氏(常和ホールディングス社長)、隅研吾氏(建築家)ら、オブザーバーには国交省のほか財務省、文部科学省、厚生労働省、国際協力機構(JICA)やUR都市機構などが加わっている。

復興と東京五輪“特需”で建設業界は息を吹き返したが、コスト高騰と人手不足が重荷。「ポスト五輪」をにらみ、ゼネコン、下請け、メーカーの適正なリスクと利益配分を実現し、競争力を強化する新しい受注方式を確立して「脱談合」ができるかどうか――時間との競争だ。

   

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