2013年5月号 連載
黒川清元委員長をはじめとする9名の元国会事故調委員が、4月8日、国会事故調の提言に基づき設定されたという衆議院原子力問題調査特別委員会の第1回審議に参考人招致された。
国会事故調が両院議長に報告書を提出して9カ月が経つ。福島原発事故は収束しておらず、問題も山積している。被災者への対応も遅々として進まない状況の中、国会の鈍い反応に歯がゆい思いでいた。
提言した特別委員会とは、国民の健康と安全を守る目的のために、規制機関のみにとどまらず行政府、事業者等を実効的に監視し、以て原子力安全規制機関の政治と事業者からの独立を担保することを使命とする。民主主義の根幹である三権分立がこの国で機能するのかどうか、試金石として世界が注目している。今後の特別委員会の動向を注視し、提言実現に向けて地道な活動を続けていきたい。
貴誌の真実を徹底して追求する勇気と情熱に、創刊以来の愛読者として今後も期待している。
元国会事故調事務局 森敏之