2012年8月号 連載
わたしは、「♪ちょっぴり寂しい」と歌謡曲の歌枕にも詠まれた乃木坂で、イタリア風「隠れ家」居酒屋を経営するファクタ創刊以来の愛読者です。投資銀行業務を長く務め、7年前から、或る証券会社を経営してきました。日本のスマホ、政党政治に負けず劣らずの「ガラパゴス的」な転身にチャレンジ中ですが、これを「進化」と見るか「退化」と見るかは、モノサシ次第!?
さて、外食産業はどうでしょう。牛丼や居酒屋の価格競争の一方、イタリア通の皆さんからは「日本のイタリアンは、もう本国を超えたね」との声も。失われた20年と言われますが、この間の我が国の外食産業の多様化、グローバル化、低価格化は、仁義なき自由競争と日本人独特のおもてなし精神とが化学変化して花開いたガラパゴスかも知れません。
もてなす喜びも、もてなされる喜びと同じくらい深みがあることを教えられた開業後の数カ月、素晴らしいシェフとスタッフに巡り合えた「奇縁」に感謝する毎日です。
乃木坂ヴィラージュ オーナー呑むリエ 丹羽広