利用シーンが広がる携帯型カーナビ

ソニー「NV-U3C」

2009年6月号 連載 [PRODUCT Review]

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自動車の販売不振で売り上げ縮小に拍車がかかるカーナビ市場。唯一元気なのが携帯型カーナビとも称される、パーソナル・ナビゲーション・デバイス(PND)だ。これまで国内メーカー各社は利益率の高いカーナビの牙城を脅かすPNDの存在を見て見ぬフリをしてきた。そんな状況に一石を投じたのが2005年に販売不振から市場を一度撤退したソニー。07年3月、捲土重来とばかりに国内初の本格的なPND「NV|U1」で殴り込みをかけ、以来ハイペースで新モデルを投入してきた。

失うものがなかった分、利用者目線でコストパフォーマンスの高い製品を打ち出せた。安いものでも10万円近くするカーナビに対し、PNDは3万~4万円程度。必要十分な機能に加え、クレードルを介した着脱時の手回しのよさも支持される理由のひとつだ。最新モデルの「NV|U3C」は、機動性を高めるため液晶画面を3.5インチとコンパクトに、グルメぴあや温泉ガイドなど1万件以上の情報を収録し、自転車や徒歩利用など新たな用途の開拓も狙う。情報の追加も可能で、旅先ではガイドブック代わりにもなりそうだ。

低迷する“本家”カーナビを尻目に、前年比で2割近い伸びが予想されるPND。パナソニックやパイオニアなど国内勢もこの春の新機種でついに揃い踏みした。逆風吹き荒れるカー用品市場の一筋の光になるか、PNDの勢いに注目したい。

   

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