買い手が気になる「シエスパ」爆発事故跡地

2009年4月号 DEEP [ディープ・インサイド]

  • はてなブックマークに追加

2年前に3人の死者を出したユニマットグループ(高橋洋二代表)の温泉施設「シエスパ」(東京・渋谷区松濤)のガス爆発事故は、運営会社ユニマット不動産の取締役や施工した大成建設の幹部らが業務上過失致死傷容疑で書類送検され捜査が終結した。「事故現場は渋谷駅からも近く、地価の高さは都内有数。それだけにユニマットでは捜査終結を見据え、事故現場の不動産売却を早くから検討してきた」(ユニマットグループ関係者)という。

実は、売却が取り沙汰されているのはここだけではない。「港区西麻布の『六本木天然温泉施設ザブー』でも3年前に塩素ガスが発生して従業員が目や喉の痛みを訴える事故が起き、その後、施設は閉鎖。シエスパ、ザブーとも赤字続きだったこともあり、高橋代表は、このまま事業から撤退し跡地も売却する考え」(前出関係者)という。

登記簿によると、松濤、西麻布とも土地の所有者はユニマット不動産。松濤の土地は抵当権が解除され、いつでも売却可能。一方の西麻布は土地と建物を担保に昨年6月、同社がオリックスから極度額の72億円を借り入れている。同グループの別の関係者は「売却先にはJTBの名前も挙がっている」と言うが、世間の目もあり、おいそれとは売れないはずだ。

   

  • はてなブックマークに追加