「電子タバコ」のブームに火が付いた!?

2009年4月号 連載 [PRODUCT Review]

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煙の出る「電子タバコ」がにわかに人気だ。見た目は紙巻きタバコにそっくりだが、成分にニコチンやタールを含まないため、新しい禁煙グッズとして注目を集めている。

火を使わないのに煙が立っているように見えるのは、吸い込んだときにフィルター内の液体が水蒸気となって出てくるから。さらに、吸引に反応して、先端に付いているLED(発光ダイオード)が炎のように点灯するなど、愛煙家を満足させようと工夫が凝らされている。

売れ筋商品の店頭価格は1万5千円前後と、禁煙グッズとしては高価だが、在庫切れも出るほど売れ行きが好調なのは、その“リアルさ”が支持されているからだろう。東急ハンズやジャスコで「ミスモ」を販売する素数株式会社の広報担当者は、「昨秋から販売を始めたが、3月中にはスターターキットの出荷が10万台に届きそう」と喜びを隠さない。

愛用者が増えれば、ビジネスの旨みも増してくる。「一番利益を見込めるのは交換用フィルターの販売。ビジネスモデルとしてはプリンターとインクの関係に近い」(販売会社幹部)。大手コンビニチェーンでも、市場の拡大を睨んで販売を検討しているという。

とはいえ、まだ知名度は低く、売り場では不思議そうに商品を手に取る人も多い。2700万人のタバコ市場で、どれだけ存在感を示せるかは未知数だ。このブームやいかに。

   

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