就職人気も「落ち目」の新聞・テレビ業界

2009年4月号 BUSINESS [ビジネス・インサイド]

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就職活動真っ盛りだがマスコミの人気は芳しくない。日経新聞が2月23日付朝刊の別刷りで報じた希望企業ランキングではNHKの40位が最高位。2番手はフジテレビの52位。次いで講談社57位、朝日新聞64位、読売新聞80位、集英社84位、テレビ朝日85位、小学館95位。以上の8社がベスト100社入りした。昨年の100社ランキングには、フジテレビ(08年31位)、集英社(同43位)、講談社(同45位)、NHK(同53位)、テレビ朝日(同65位)、小学館(同66位)、朝日新聞(同79位)、日本テレビ(同82位)、TBS(同88位)、日経新聞(同100位)と10社が入っていた。今年は最高がNHKに代わり、順位も前年の31位(得票数138)から40位(同103)に落ちた。広告不況の民放より公共放送に人気が集まるのは、当然の流れかもしれない。訪問先の先輩たちから構造不況の内情を聞いて、逃げ出したものか。

ちなみに100社から脱落したのはTBSと日経の2社。TBSは赤坂地区の再開発が成功した結果、業績はまずまずだが、本業の放送がフジやテレ朝などに比べて精彩を欠く。日経は本業の新聞が全国紙で唯一部数を増やし続け、前期(08年12月期)も大手紙では例外的に黒字を維持したが、08年の100位から09年は114位に後退した。当の人気ランキングの主催紙だけに複雑な心境だったに違いない。

   

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