2009年2月号 GLOBAL [グローバル・インサイド]
中国が検索エンジン、米グーグルの衛星写真ソフト「グーグル・アース」(Google Earth)を警戒、人民解放軍の重要基地でグーグル・アースの“目”を欺く「偽装」工作を本格化させている。人民解放軍の技術専門家である王声・空軍営房部長は12月、中国紙「解放軍報」で、現在のグーグル・アースの画像解析力は60センチ~1メートル大までクリアに解析できるとし、「その性能は10年前の軍用偵察衛星の水準に達している」との見方を示した。
解放軍はグーグル・アースに覗き見されまいと、「偽装」工作を開始。例えば、山中に建設中の防護用トンネルは、周辺に密生する植物と同じ種類を入り口に移植したり、兵器を収納しているトンネルの周辺に複数の擬装用トンネルを掘ったりしている。また「撹乱」のために戦車やロケット砲などの兵器を巧妙に模したデコイを使用している。もっとも、西側の軍事専門家の間では、「偽装」はまだまだ稚拙という見方が主流だ。