農水省幹部が絶句する新人キャリア官僚のレベル

2007年10月号 DEEP [ディープ・インサイド]

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国家公務員1種試験に合格して、中央省庁に入るキャリア官僚。彼らが最初に取り組むのは、国会答弁の作成だ。翌日の国会で質問を予定している議員たちから聞き取ってきた質問内容に対し、大臣や局長用の答弁を作成する。過去の答弁例を調べたり、関係する他省庁と調整したりして、矛盾のない答弁を書き上げる仕事は、エリート官僚の卵たちにとって、何より訓練になる。

ところが、ある農林水産省幹部は、「最近の新人はキャリアなのに答弁が書けないんだよ」と嘆く。1年生官僚が書いた答弁は、まず直属の上司である課長補佐によって添削される。その後、課長、部長の決裁を受けて完成する。大臣答弁の場合は、さらに国会対応の責任者である官房長の決裁を受けたうえで、大臣秘書官に届けられる。国会当日の朝、秘書官を通じて大臣の手元に答弁が渡され、必要に応じて担当者らによるレクチャーが行われる。ところが、最近の新人は使い物にならず、課長補佐が最初から答弁を書く例が目立つという。「こんなレベルじゃ、と絶句するような奴が入ってくる」と幹部は憤りを隠さない。

   

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