「闇の紳士」から金品を受け取ったT京大教授

2007年10月号 DEEP [ディープ・インサイド]

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本誌07年5月号(『京都大に忍び寄った「闇の紳士」』)で疑惑を取り上げた京大教授が、自分の研究室の研究生として入学を予定していた人物から不透明な利益供与を受けた疑いで大学側の調査を受けていることが明らかになった。

この教授は京大大学院工学研究科のT教授(59)。本誌既報のとおり、T教授はパチンコ情報提供会社・梁山泊グループの元幹部らによる証券取引法違反事件で逮捕された投資顧問会社役員の川上八巳被告(41)と親密な関係にあった。またT氏は川上被告の20億円寄付(川上被告が京大の図書館建設資金として20億円寄付することで大学側と覚書を交わしたが、川上逮捕で無期限延期になったとされる事件。大学側は本誌の取材に「答えられない」と回答)に関し川上被告と大学側の橋渡しをしたという。

今回の疑惑は、川上被告が05年4月に研究科の研究生として入学する前の同年2月に京都市内の時計店で130万円のスイス「ブレゲ」製の高級腕時計を購入、T教授に贈ったというもの。研究生は大卒でなくとも大卒以上と同程度の学力があれば出願が認められ、T教授は川上被告の出願時の資格審査に関わり、合格後は指導教授になった。

川上被告は大学を卒業していないが「T教授のおかげで大学院に入れた」と喜んでいたという。T教授は芸術選奨文部大臣賞、国土庁長官賞、国際設計競技最優秀賞を受賞するなど日本を代表する建築家。「裏街道を歩いてきた川上は京大大学院研究生という肩書が欲しくて20億円寄付を申し出た」(川上被告の知人)という話もあり、T教授だけでなく大学側の責任も問われかねない事態になってきた。

   

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