2007年4月号 POLITICS [ポリティクス・インサイド]
根本匠首相補佐官(衆院議員)の評判が芳しくない。安倍首相、石原伸晃自民党幹事長代理、塩崎恭久官房長官とともに政策グループ「NAIS(ナイス)」を結成した仲だが、担当の経済財政政策への熱意が乏しく、官邸、与党、霞が関から失望の声があがりはじめた。経済財政担当とはいっても、経済財政諮問会議は大田弘子大臣が仕切るため、根本氏に出番はない。根本氏の役目は、首相が昨秋の所信表明で言及した「アジア・ゲートウェイ構想」の具体化。しかし、根本氏自ら辞典を引いて「ゲートウェイ」の語彙を知ったと伝えられるほど、心もとない。
昨年11月末、政府が重点予算を固める時期にインド、シンガポールに出かけ、与党内から「肝心な時にいない」と顰蹙を買った。年始にも香港、上海へ出かけ、担当記者に「外遊記事をもっと大きく書け」と要求する始末。遅まきながらゲートウェイ構想が看板倒れと知るや、自ら活躍の場を求めて、放送と通信の融合で注目される内閣官房の知的財産戦略本部を傘下に入れようと動き、官邸筋を唖然とさせた。「行動の原点はとにかく『目立ちたい』。首相と仲が良いから黙ってきたが、もっとまじめにやらなくちゃ」。官邸、与党内から悪評が絶えない。