2007年3月号 POLITICS [ポリティクス・インサイド]
社民党の福島瑞穂党首が意気軒昂なところを見せている。女性を「子供を産む機械」に例える発言をした柳沢伯夫厚生労働相に対して、真っ先に「辞任すべきだ」と声を上げ、「アンチ柳沢」の野党戦線構築のため、民主、共産両党の橋渡し役を果たした。また、野党4党による衆院予算委員会の審議拒否戦術も、福島氏が小沢一郎民主党代表に強く働きかけて実現。1月29日には、社民党のほか民主、共産両党の女性議員連名の抗議文を携えて「女性の人権を踏みにじるもので、断じて許せない」と、柳沢氏に辞任を申し入れた。
さらに翌30日、野党党首会談後に官邸に乗り込み、柳沢氏の辞任を重ねて要求。塩崎官房長官が「(柳沢発言は)誤解を与えた」と答えると、すかざす「誤解とは何ですか。その程度の認識だからだめだ」と噛み付いた。
福島氏の勢いに引っ張られる形となった小沢氏は「福島氏の言うことは何でも聞くよ」と言って憚らない。夏の参院選で40選挙区程度に上るとみられる社民党空白区で、民主・社民の選挙協力実現に向け、ひたすら下手に出ているわけだ。こうした状況を最大限利用して存在感をアピールする福島氏は「意外にしたたか」(民主党筋)。