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北朝鮮送金ルートの銀行 三菱東京がコルレス口座

2007年9月号 [グローバル・インサイド]

北朝鮮の核開発をめぐる6カ国協議の打開策として、マカオのバンコ・デルタ・アジア(BDA)の口座に凍結されていた北朝鮮資金2500万ドルが“返還”されたが、そのルート上に浮かんだ「ダルコムバンク」(極東商業銀行)の正体が、国際金融界で改めて論議を呼んでいる。

米財務省は4月にBDA制裁規則を制定、それに抵触しないような送金ルートを探す作業は「針の穴を通す」難しさだった。結局、BDA→ニューヨーク連銀→ロシア中央銀行→ダルコムバンク→北朝鮮外貿銀行というルートになり、米国の銀行規制を上手に迂回する奇手を編み出した。問題はハバロフスクのダルコムバンク。1989年に創設され、公的機関が出資しているというが、どこかは不明。純資産は114億ルーブルと、ロシア極東地域では第1位の銀行である。

商圏はアムール川流域、サハ共和国、ユダヤ人自治区などで、単なる地方金融機関に見えるが、なぜか国際業務を広く手がけていて2000年には国際決済網SWIFTに加盟している。お隣の中国とは中国銀行や中国農業銀行と関係が深く、コルレス(外為業務の代行契約)口座を持つ銀行は独コメルツ、韓国外換、国民銀行、オーストリアのドナウ銀行に及び、この4月には米国のJPモルガン・チェースに新たにコルレス口座を設けたほか、200以上の外銀が口座なしでコルレス関係を維持しているという。

送金難航で窮地に陥ったヒル国務次官補に「ダルコム」の抜け道をささやいたのは、国際金融の裏ネットワークを熟知した人々に違いない。ダルコムはそのダミーに見える。金融筋によると、日本の三菱東京UFJ銀行もダルコムにコルレス口座があるという。かつて「北」系の在日マネーの送金ルートだった足利銀行が「三菱のダミー役」として有名だったが、パイプは形を変えて残っているのだろうか。