関経連で吐き気を催す「セクハラ事件」/9月15日松本会長記者会見/野島学、関総一郎の居座りを許すのか

号外速報(7月25日 21:20)

2026年9月号 LIFE [号外速報]

関西財界の総本山、関西経済連合会の松本正義会長(「日本記者クラブ」での講演動画より)

関西財界の総本山、関西経済連合会でトンデモないセクハラ退社事件が露見した。

加害者は事務方ナンバー2の野島学事務局長・常務理事(60)。1989年関経連事務局入局(同志社大学経済卒)のプロパーの出世頭だ。7月21日付で解任されてヒラの理事に降格。

その上司で事務方トップの関総一郎専務理事(65)は、関経連の松本正義会長(住友電気工業会長、81)から訓告処分を受けた。事務局長の後任には、住友電工から関経連に出向している堀葉祐一郎理事をあてた。

だが、被害を受けた女性職員Aさんは、セクハラに耐えかねて退職を余儀なくされている。被害者には何の落ち度もないのに――。

「ヒラ理事に降格?」「訓告処分?」とは、世間常識とかけ離れた甘すぎる処分ではないか。

プロパー人事を握る常務理事「野島学」

7月21日付けで解任された野島学常務理事。今でもヒラ理事として関経連事務局に居残っている。

野島氏のセクハラが始まったのは2022年半ばから。当時はまだ事務局次長・理事だった。

定期的な飲み会に呼び出し、休日に被害者の業務とは関係のない外出に同行を求めた。有給休暇を使わせることさえあったという。

要求は次第にエスカレートし、被害者が全く希望していないのに数人規模の一泊旅行に連れ出した。

その後、Aさんが「恋人がいる」と告げて、呼び出しを断ると、直属上司である総務部長が突然、仕事の負荷を増やしてきた。これは2025年に野島氏が事務局長・常務理事に昇格した時期と重なる。

野島氏は仕事量を増やすように指示したことをにおわせ、権力を誇示してAさんを従わせようとした。つまりセクハラにパワハラが加わった。Aさんは外部の相談窓口に電話したが、事態は改善せず、総務部で働き続けるのが苦しくなっていった。

プロパーの人事は、プロパートップの野島氏が握っている。

不本意ではあったがAさんは人事面談で、以前から希望している国際部への異動を訴えた。

それには何も答えず、野島氏は「食事に行こう」と誘ったが、Aさんは「心療内科を受診する」と言って断った。心理面で限界になっていることを「心療内科」という言葉で伝えたが無視された。

その後も野島氏は勤務時間中に、開催中の大阪・関西万博や京都への視察(実質は物見遊山)などに連れ回した。

Aさんは、京都視察の際は日程を変え、他のメンバーも加えて訪問するように提案したが、野島氏は「所属長の了解を得ている」と言って耳を貸さず、押し切った。

直属上司の総務部長(女性)は、野島氏に忖度し、部下の苦境に目をつぶっていたフシがある。総務部長に相談すると野島氏に筒抜けになると、Aさんは疑心暗鬼に陥った。

大阪府の相談窓口が「セクハラ」認定

関西圏では大々的に報じられたが、東京を含め全国的には殆ど話題にならなかった(「NHKニュース関西」より)

関経連事務局内の女性職員の間には、プロパーの人事を握る「常務理事には用心すべき」という内々の申し送りがあったとされる。

野島氏の前任の常務理事もかなりの発展家で、酷い目に遭わされた女性職員がいたと聞く。セクハラを我慢して受け入れ、お気に入りになると厚遇されるというのが、お決まりのパターンだったようだ。

前出の女性総務部長には前任常務理事の強い後押しで昇進したという噂もあった。プロパーの人事を握る常務理事の強権支配が、関経連事務局の組織風土になっていたのではないか。

今年4月、Aさんは総務部から国際部に異動した。

まもなく野島氏からおぞましいメールが届いた。

「複数の国際部への異動希望がある中、関総一郎専務理事と相談して異動してもらいました。当方は思いをきっちりと受け止めてきたつもりです。時折は上記(異動)に思いを寄せてもらえるとうれしいです」

野島氏はさらにアクセルを踏み込む。

関経連で国際部担当の役員が出向元の会社に帰任するため空席になると、そのポジションを兼務したのだ。Aさんにすれば、野島氏が所属部署の最上位となり、いよいよ逃げ道がなくなってしまう。

思い悩んだAさんは大阪府のハラスメント相談窓口に駆け込み、事情を詳しく説明するとセクハラと認定された。

その結果を携え、被害者は野島氏の上司である事務局トップの関総一郎専務理事のアポイントをとり、セクハラを受けていると訴えた。

「この面談のことはあなた限り」と口止め

すると開口一番、関氏は「この面談のことは、あなた限りにしてほしい」と告げた。

さらに「(野島氏が)国際部の担当役員になることは決まっており、これは変わらない。あなたを国際部から他の部署へ移す選択肢もあるが、希望して国際部に来た経緯があり、かえって目立つのでよくない。来年度の総会で新たな担当役員を選任するので1年間、耐えてほしい…」とまで述べた。

学校のいじめで加害生徒を転校させるのではなく、被害生徒に次のクラス替えまであと1年間我慢し続けろ、と言い放つ校長先生みたいなもの。

頼みの綱だった関氏が完全に野島サイドに立ち、目先の組織防衛を優先し、大阪府の窓口によるセクハラ認定など歯牙にもかけないことが明らかになった。

Aさんは念願の国際部に異動を果たしたのに、「思いを寄せてもらえるとうれしい」と嘯く野島氏が牛耳る職場は地獄と化した。しかも、誰も味方をしてくれない。

全ての希望が断たれたAさんは公益社団法人関西経済連合会を退職した。

被害者の悲痛な訴えは「些末な雑音」

「趣味はチェロ」と公言する、どこか世ばなれた関総一郎専務理事

それにしても、関経連事務局のトップに立つ専務理事・関総一郎とは、如何なる人物か。

千葉県出身で1983年東大法卒、同年通商産業省(現経済産業省)入省。地球環境対策室長、情報通信国際戦略局次長、官房審議官などを経て、2014年7月から2年間、近畿経済産業局長を務めた。

退職後は招かれて住友電気工業の顧問に就いた。松本氏が関経連会長に就任した2017年、関氏は関経連で松本氏を補佐する専務理事の要職に天下った。

官僚として30余年のキャリアで、訪れた国が約50カ国というのが自慢だ。

「まず相手の文化や国を理解したうえで、なぜこういう発言をするのかを考えられるようになった」(2014年10月29日付の日本経済新聞夕刊大阪版)。

異国の人にはしっかりと寄り添えるのに、関経連事務局のセクハラ被害者を見殺しにした。

20代でハーバード大学の行政大学院であるケネディスクール(政治大学院)に留学した絵に描いたようなスーパーエリート。経産省からの天下り専務理事にとって、Aさんの悲痛な訴えは「些末な雑音」に過ぎなかったようだ。

おまけに関氏はセクハラ事件の発生自体を、関経連トップの松本会長に一切報告していなかった。

それどころか、セクハラを告発してきたAさんの口止めを図った。

7月21日に関経連が発表した報道資料には「隠蔽の事実がなかった」とあるが、にわかに信じがたい。身内を庇い、組織を守るための口裏合わせや詭弁ではないか。

誰も納得しない口止め専務に「訓告処分」

高市首相の知恵袋・飯田祐二首相秘書官は、経産省からの天下り専務理事の不祥事を黙って見過ごすのか

関氏が口封じに走っていた5月頃、松本会長の知るところとなった(ネットの掲示板にはセクハラの中身が詳述されていた)。

松本会長は即座に外部弁護士で構成する調査委員会を立ち上げて調査に入った。

6月には関経連事務局の女性職員有志が職場環境の改善を求める提案書を関氏に突きつけたが、果たしてそれが松本会長の手元に届いたかどうかさえ、怪しい。

関氏の被害者への口止めは万死に値する。加害者の野島氏とほぼ共同正犯ではないか。

セクハラ被害をもみ消そうとした天下り専務理事に訓告処分とは――。誰が納得しよう。

外部弁護士で構成された調査委員会は記者会見を開き、調査内容と結果を説明し、責任の所在を明らかにすべきだろう。

これまで歴代専務理事は任期満了後、天下りの「渡り」と呼ばれる要職が用意されてきたが、関氏が、そうした恩恵にあずかれるか、疑問だ。

松本氏は関経連と住友グループを総動員して2025年の大阪・関西万博を牽引し、入場者数2500万人突破を達成し、最大370億円の黒字(剰余金)をもたらした。その功績に泥を塗り、関経連の信用を失墜させた責任は重い。訓告処分という、事実上のお咎めなしで済むのだろうか。

特別国会が閉幕し、霞が関は天下りポストを含む幹部人事のシーズンを迎える。

高市早苗首相の知恵袋とされる飯田祐二政務担当首相秘書官(63)は元経産省事務次官。

首相官邸の要人である飯田氏が、出身母体(経産省)からの天下り専務理事の不祥事を黙って見過ごすとは思えない。

世間常識とかけ離れた「居座り専務理事」

関氏は「趣味はチェロ」と公言している。

東大の古典ギター愛好会に入部したのがきっかけで弦楽器を始め、毎日3〜4時間を練習に費やすギター漬けの日々を送った。

バッハが作曲したリュート用の作品や無伴奏チェロ組曲をギターでよく弾いた。いつかはバッハの曲をチェロで弾きたいと願っていた。

入省当初は仕事に追われ、楽器から遠ざかっていたが、ハーバード留学中は時間に余裕ができ、米国人のチェロの先生に師事し、無伴奏組曲一番のプレリュードをなんとか弾けるまでになった。

帰国後、秋田県庁出向時に秋田市管弦楽団でベートーベンの交響曲第九番という大曲に挑み、ベルギーではブリュッセル在住の多国籍者からなるアマチュアオーケストラに参加した。

世間常識とかけ離れた居座り専務理事は、遠からずチェロ三昧の日々を過ごせることになるだろう。

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