「国債リスク」はCDSで見るべき/by 原田泰 日本銀行元審議委員

格付け会社が何を言おうと、日本の財政は改善しており、国際的に見てそう悪いわけではない。

2025年3月号 POLITICS

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日本の財政が危機的な状況にあり、一刻も早く財政再建を目指さないといけないという議論が盛んである。例えば、日本経済新聞は、海外の格付け会社が日本国債の格下げをする可能性が高く、国債金利の高騰、ひいては日本企業の資金調達コストを引き上げるとしている(「国債、にじむ格下げリスク 格付け大手が財政を不安視」=日経新聞2025/01/26)。

「ワニの口」はどこにもない

しかし、このような議論は的外れ又は大げさ(煽り行為)である。その理由は、第1に日本の財政状況は改善しているから。第2に世界主要国はいずれも財政状況が悪化しており、日本だけのことではないからである。第3に格付け会社は商売をしているのであって、その商売に付き合わされることはないということである。第4にCDS(クレジット・デフォルト・スワップ)(クレジット・デフォルト・スワップとは、企業や国などの債券が債務不履行(デフォルト)と ………

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