読者の声

2022年3月号 連載

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東日本大震災と原発事故から11年になります。津波の大被害を受けた相馬港では港湾施設は建て替えられ、その一つの「浜の駅」では、地元で捕れた新鮮な魚介類が販売され県内外からの観光客で賑わっています。昨年の春で試験操業が終わり、漁業は少しずつ元にもどりつつあります。今まで6万件以上の厳しい検査を行い安全な100種近い魚介類の漁が行われています。黒潮と親潮の潮目で豊かな漁場である福島県沖では、「常磐物」と呼ばれているヒラメをはじめ、ノドグロ、キンキ、ズワイガニといった高級な魚種や、温暖化の影響もありトラフグ、イセエビまで上がっています。漸くここまで復活して来たところで1Fの処理水の問題です。令和4年1月にクロソイという魚に基準以上の放射性物質が検出されました。1Fから50 km以上も離れた海で泳ぎまわっている魚にもかかわらず、食物連鎖の蓄積がまだ続いているようです。先の見えない廃炉作業に、処理水の問題が目の前にあります。放出による風評被害は避けなければいけません。

相馬市在住 一級建築士 鈴木 浩

相馬港の漁船(写真提供/全て鈴木浩氏)

コロナでも賑わう浜の駅

福島県相馬産「活ズワイガニ」入荷!(浜の駅)

   

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