弁護士(立憲民主党参院選予定候補者) 亀石 倫子氏

令和元年を「パリテ元年」に 参院選「女性候補40%」旋風

2019年5月号 POLITICS [チャレンジャーに聞く!]

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亀石 倫子氏

亀石 倫子氏(かめいし みちこ)

弁護士(立憲民主党参院選予定候補者)

1974年生まれ。東京女子大卒。大阪市立大法科大学院を経て09年弁護士登録。刑事専門の法律事務所に入り、担当した刑事事件は200件にのぼる。立憲民主党から参院選(大阪府選挙区)出馬表明。

――参院選まで3カ月です。

亀石 昨年9月に出馬表明してから、毎朝7時に駅頭に立ち、今は統一地方選の候補者の皆さんと大阪中を駆け回っています。

――亀石さんが出馬表明してから、立憲民主党から続々と女性候補が名乗りを上げました。

亀石 こんなに多くの女性が、各地で名乗りを上げてくれるとは思いませんでした。大阪の自治体議員候補も32人中14人(40%強)が女性です。子育てや介護真っ最中の方、NPO法人で子どもの虐待問題に取り組んでこられた方、シンガー・ソングライターとして教育事業に音楽を取り入れる活動をされてきた方など、政治の世界に女性が増えるということは、「多様な女性の視点」が政治に反映されるということだと実感しています。

――しかし、現実には地方議会の2割は女性議員がゼロです。

亀石 昨年5月に国会や地方議会の選挙で、男女の候補者を均等にすることを政党に促す「日本版パリテ法」が施行され、初の統一地方選を迎えたというのに、女性候補40%擁立に取り組んでいるのは我が党だけです。

立憲民主党の辻元清美国対委員長と大阪府内を駆け巡る

――目下、衆院の女性議員の比率は10%、参院は20%です。

亀石 弁護士業界も女性比率が18%なので、似たような雰囲気なのかなと思います。この程度しか女性がいないと、何か発言しようとする時に遠慮してしまうこともありますし、発言してもスルーされてしまうことも多く、自然と男性をサポートする役回りになりがち。また、この程度の割合しか女性がいない職場というのは、家事や育児、介護との両立が難しい環境なのだと思います。そうなると、そこで働き続ける女性も結婚や出産を諦めざるを得なかったりして、生き方の多様性が確保されないでしょう。国民の代表である議会がこのような構成では、国民のための政治を実現するのはきわめて難しいと感じます。

――目下、立憲民主党の国会議員は82人中20人が女性ですが、亀石さんに続けとばかり、加藤千穂さん(栃木)、増原裕子さん(京都)、田島麻衣子さん(愛知)、塩村文夏さん(東京)、安田真理さん(兵庫)ら、エッジのきいた女性新人候補が揃った感があります。

亀石 そもそも「パリテ」とは、フランス語で同数・均等の意味です。この社会には「女性」と言うだけでぶつかる「壁」がたくさんあります。立憲民主党は「パリテ」を合言葉に、政治に関心を持つ女性のためのイベント「パリテ・ナウ」を企画し、多くの皆さんの参加を呼び掛けています。今夏の参院選は、各政党に候補者を男女同数とする努力義務を課して行われる初めての国政選挙です。令和元年を「パリテ元年」にしなければなりません。

多様な人生経験を背景に、女性の政治家の関心事もさまざま。私は弁護士として、多くの女性から、職場でのセクハラやパワハラ、男女のトラブルや離婚、相続などの相談を受けてきました。育児や介護、子どもの教育といった、女性が深く関わってきた分野でも、女性の視点を活かした政策を実現したい。私たちには日本社会の現状に、非常に危機感があります。日本版パリテの推進で、もっと女性が「自由を感じられる社会」にしたいと考えています。

(聞き手/本誌発行人 宮嶋巌)

   

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