病める世相の心療内科⑰「バナナの皮」で不安に駆られる女

2018年6月号 LIFE

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精神を病む人々は、しばしば自分のせいではないことで、罪を負わせられることに著しい不安を示す。その不安は、関係のない出来事にあえて自分を結び付けるように働くことがある。たとえば近所で火事があると、自分が火をつけたと疑われることから逃れるため、現場をわざわざ迂回して通ろうとする。次第に自分が放火犯と噂されていると思い込み、引きこもるようになる。こういう思い込みは「被害関係妄想」と言い、特定の精神病に特有の症状とされるが、最近さまざまな精神的な危機状況で起こりやすくなっている。悪いことが起こるとその情報を自分に引き寄せ、あり得ないような関係付けをしてしまうのである。こういった心理は、誰しもの深層心理にある不安によって引き起こされる。社会が複雑化しすぎて、善悪の判断が難しくなり、時にはメディアの増幅機能によって、些細なことで思わぬ責任を背負い込 ………

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