編集後記

2015年11月号 連載
by 宮

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避難した農家の除草作業(2015年9月21日、南相馬市小高区、撮影/本誌 宮嶋巌)

切り揃えた孟宗竹を片づける東電社員

竹林の伐採と除草によってすっかり綺麗になった農家に庭先

帰還困難区域(浪江町)との境に作られた小高区の仮置き場

来春の運転再開をめざし、除染が進むJR常磐線・小高駅

小高区役所の前に立つ「脱原発都市宣言」

シルバーウイークに南相馬を旅する。小高区は1Fから北へ15キロ。警戒区域とはいえ、家屋の除染が進み、来年4月に避難指示解除のメドが立った。

鬱蒼たる竹林に覆われた、今は無人の農家の庭先に、東電社員約40人が集まったのは土曜日の朝。4班に分かれて下草を刈った後、高さ20m、幹が20cmもある孟宗竹(もうそうちく)を切り倒し、鉈(なた)で枝を払い、2mの竿に切り揃えていく。作業は休日返上の3日連続だった。

東京の多摩総支社から初参加の井上美紀さん(勤続30年)は「草ぼうぼうの田畑や山積みの黒い袋を目の当たりにして、責任の重さに胸が締め付けられました」と目を伏せる。埼玉の総支社から参加した手塚義年(よしかず)さん(27)は入社3年目に苦難に直面した。「事務職の私には全く実感がありませんでしたが、来る日も来る日もお叱りの電話を受けました……」。浜通りで汗を流すのは3度目だ。最初は浪江町でタイベックを着てスクリーニング検査を手伝い、昨年は家屋の清掃でまっ黒になって働いた。「普段の仕事をしていると忘れがちになるから、何度でも来ます」と言う。

福島復興本社が東電全社員(約3万3千人)に呼びかけ、被災地での復興推進に取り組んだ累計社員数は19万人に達した。初めは「青いユニフォームを見たくない」と拒絶されたが、今年は8月だけで9115人(清掃・片付け、除草など)が福島で活動した。

2度目の参加になる黒沢明弘さん(50、土浦副支社長)は「昨年までにほぼ全社員が福島で汗をかき、今年と来年で2度目の活動に取り組むことになっています。福島に足を運ぶことで、私たちができること、私たちにしかできないことが見えてくると思います」と語る。地元のボランティアセンター経由で寄せられる支援要請は増え続け、来年2月まで南相馬での「汗かき活動」は、予約で手一杯という。












   

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