2015年6月号 連載
自民党が政権に復帰して2年半で、日経平均が2万円台を回復した。為替も1ドル120円台になり、輸出企業に多大な利益をもたらした。確かに経済には活気が見えている。
しかし良いことばかりとは限らない。政治の現場では閉鎖性がぐんと高まった。自民党ではこれまで実績を示せば我々フリーランスも幹事長会見などに参加できたが、自民党の政権復帰とともに一切閉ざされた。
それでも高市早苗氏が政調会長の時は、「懇談」を開いていただいた。その後も引き続きお願いしているが、いまだ実現していない。自民党は「雲の上の存在」となったつもりなのだろう。
一方で民主党も大差ない。代表会見などはオープンだが、実はそれはほんの一部。それ以上に頻繁に開かれる懇談は大手メディアのみが対象で、我々には連絡すら寄こさない。
安倍政権は「女性が輝く社会」を標榜するが、けったいな特権がはびこる政治で、それは実現できるのか。少なくとも私は、くすぶった気持ちを払しょくできないでいる。
ジャーナリスト 安積明子