夜のネオンが恋しい三井住友銀行の「ホタル」

2013年1月号 BUSINESS [ビジネス・インサイド]

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増資インサイダーが続々と摘発された2012年。東京の金融機関に「接待禁止令」が出る年の瀬となった。投資ファンドや信託銀行など「バイサイド」から見れば、証券会社など「セルサイド」は業者にすぎない。「おいしい情報と接待を提供できるかが、業者選びの基準だった」(投資顧問)

とはいえ、一部の買い手、売り手は度が過ぎた。その結末が、日本板硝子やエルピーダメモリの株式を巡る摘発だった。公表された当局の処分とは別に、当事者も責めを負う。業者にタカりまくり「東京の帝王」と呼ばれたジャパン・アドバイザリーの首脳は日本を去り、野村証券の「美女営業」と深い仲になった中央三井アセット信託銀行(現三井住友信託銀行)の株式運用担当は社内処分を受けた。

本誌4月号で報じた通り、外資系証券の風俗接待を受けた大手生保の海外運用担当チームも駆逐された。

だから金融庁が過剰接待禁止令を発したのも無理はない。バイサイドも内部監査を強化し、今や2次会は原則禁止が当たり前になった。キマジメな信託業界に至っては「1対1での昼アポも原則禁止」(大手信託)となったため、運用成績への影響を心配する向きもある。

もはや銀座や六本木のクラブやガールズバーへは通えない。東京の金融マンは夜のネオンを失った。

が、凍てつく晩にも、さまようホタルはいるものだ。関係筋が羨むのは三井住友銀行の円債担当幹部のKさん。すご腕債券ディーラーとしてニューヨークから凱旋し、銀行の収益を支える日本国債売買の現場指揮官に陣取った。

夜の事情通によると「Kさんはゴールドマン・サックス(GS)の営業担当とズブズブで、月に2度は深夜までのパーティーを楽しんでいる」という。むろん三井住友も、他のメガバンクと同じく、過剰接待禁止のお触れを出したが、Kさんはとてもプライドが高く、夜の向こう傷を恐れぬ体質が宿っているようだ。

ホテル並みの設備の六本木の高級カラオケ店でモデル級美女と夜を過ごす――かかる接待は御法度のはずだが、そこは金満GSの裏ワザだ。懇親会との名目で「デート嬢」を同伴させるのが常套手段という。「業務でGSを偏重」と陰口を叩かれても平気のようだ。Kさんの業者選別は厳しく、やりすぎは恨みを買う。「ホタルがいなくなれば東京市場は寒々しくなる」と擁護する声も。

   

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