2011年3月号 POLITICS [ポリティクス・インサイド]
社会保障と税の一体改革に取り組む与謝野馨経済財政担当相を支える霞が関の「チーム与謝野」のメンバーが固まった。政務秘書官に経済産業省の嶋田隆氏(通商機構部長)、事務秘書官に財務省の土谷晃浩氏(主計局主計企画官)がそれぞれ起用された。
社会保障・税一体改革の事務局となる社会保障改革担当室では、昨年10月から向井治紀氏(財務省理財局次長)と香取照幸氏(厚生労働省政策統括官)が審議官を務めているが、新たに内閣府参事官の田和宏氏が加わった。
嶋田氏は与謝野氏が入閣するたびに秘書官を務める「腹心中の腹心」で、今回が5回目の起用。田和氏は与謝野氏が麻生内閣で経済財政相を務めた際に大臣補佐室長として、経済財政諮問会議を切り盛りし、内閣府で将来の次官候補と目される官僚だ。
また、土谷氏は与謝野財務相時代に広報室長として仕えている。向井、香取の両氏が麻生内閣で与謝野氏が社会保障の将来像をまとめた「安心社会実現会議」を取り仕切ったことは、霞が関では有名な話だ。一方、嶋田氏に次ぐ与謝野側近とされ、官房副長官、官房長官、財務相時代に秘書官を務めた財務省主計局の大鹿行宏法規課長は、ねじれ国会での予算案や関連法案の対応に追われ、今回は馳せ参じられなかった。それでも大鹿氏を除けば、前回と同じメンバーが集結した形で、関係者の間では「霞が関のデジャ・ビュ(既視感)」と呼ばれている。