一眼レフでフルHD動画 「静」と「動」の一体化進む

キヤノン『EOS kiss X3』

2009年5月号 連載 [PRODUCT Review]

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2千万画素に迫る高画素化、10倍以上も珍しくなくなったズーム倍率、顔認識などの撮影自動化機能と、熾烈な高付加価値競争が続くデジタルカメラ市場にあって、各社が意図的に制限してきたのが「動画撮影」機能。デジカメのシェア御三家(パナソニック、キヤノン、ソニー)はいずれも製品ポートフォリオに「ビデオカメラ」を抱えるため、自社プロダクト同士のカニバリズムを生むデジカメの動画機能向上は、常に俎上に載せられては消える存在だった。

だが、コンパクトタイプなら年2回、一眼レフでも年1回と、頻繁なモデルチェンジが常識となり、さすがに目玉となるテーマも尽きたのか、昨年末から動画機能向上という“禁断の果実”に手を出しはじめる。そして、ついに市場の牽引役である、エントリー向けの一眼レフにまでフルハイビジョン(HD)動画撮影機能を搭載した製品が登場する。

このジャンルでトップシェアを誇るキヤノン「EOS Kiss DIGITAL」シリーズの最新モデル「X3」がそれだ。フルHD動画撮影に加え、「入れられる機能は全て詰め込んだ」と自信を持って送り出される渾身作。

こうなると、他社も横並びで追随せざるを得ず、静止画と動画撮影の一体化の流れは強まるばかり。カメラ付き携帯がコンパクトデジカメを侵食したように、ビデオカメラを脅かす存在になるのは間違いない。いずれは携帯にも波及するだろう。

   

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