2008年12月号 POLITICS [ポリティクス・インサイド]
年内解散のタイミングを逸した麻生太郎首相に自民党の中川秀直元幹事長がしきりと解散をけしかけている。中川氏は10月下旬に行った講演で「解散を先送りしたら、何のために福田康夫氏が辞任し、総裁選をしたかわからなくなる」と発言。その後も、自身のブログで「先送りすれば、民主党は徹底抗戦し、国会は機能不全に再び陥る。この状況を打破するには解散・総選挙しかない」などと訴えている。首相が選挙先送りの意向を固めたことで、中川氏が所属する最大派閥「清和会」の町村信孝前官房長官や細田博之幹事長らは持論の早期解散論を引っ込めている。一人解散要求を続ける中川氏は「自民党敗北を見越して、民主党を巻き込んだ政界再編の策謀を張り巡らせている」との見方がもっぱらだ。