チョコレートのヘルシー効果 ダークとホワイトで大違い

2008年3月号 DEEP [ディープ・インサイド]

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動脈硬化を防ぐポリフェノールを他の食品に比べ多量に含むチョコレートに健康増進効果があることは常識化しているが、同じチョコでも「ダーク(ビター)」は「ミルク」の2倍ものポリフェノールを含有していることはあまり知られていない。では、女性に人気のホワイトチョコはどうだろう。

ドイツのプライマリケア施設で、50代前半から70代前半の高血圧の予備軍や軽度の患者を対象に、チョコレートの降圧効果などを測定する無作為化対照試験が18週連続で行われた。米国医師会雑誌(JAMA)に昨年発表された結果によると、「ダーク」群の血圧は最高(収縮期)で2.9、最低(拡張期)で1.9低下したが、「ホワイト」群は変化がなかった。一般に3.0(収縮期)の低下で脳卒中のリスクが8%減り、心筋梗塞など冠動脈疾患の死亡率も5%下がるとされる。「日頃の運動や塩分制限にダークチョコレートの積極的摂取を加えれば、薬に頼らない降圧・安定化を図ることができる」と専門家は指摘する。

ホワイトチョコにヘルシー効果が認められない理由は、ポリフェノールをたっぷりと含むカカオマスが入っていないため。主成分はカカオマスの脂肪分であるカカオバターで、チョコレートとは別物と考えるのが無難だ。

「おやつ」の枠を超え、近年では大人の嗜好品としても親しまれるチョコレートだが、健康のためには砂糖も粉乳も減らしたカカオマス70~80%台のダークチョコを選ぶのが賢明だろう。

   

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