処分前夜のフルキャストにインサイダー疑惑が浮上

2007年9月号 DEEP [ディープ・インサイド]

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グッドウィル・グループ(GWG)と並ぶ軽作業請負の人材派遣業、フルキャスト(東証1部)。新興ベンチャーとしても知られる同社が8月3日、労働者派遣法で禁止されている港湾運送業に労働者を派遣したとして、厚労省東京労働局から業務停止命令の行政処分を受けた。GWGに続く人材派遣大手のコンプライアンス違反に、「またか」の非難がやまない。日本ベンチャー協議会会長を務めるフルキャストの平野岳史会長は、GWGの折口雅博氏と同世代のライバル。本業だけでなく広報戦略まで競り合っており、平野氏が一昨年、宮城球場のネーミングライツを得て「フルキャストスタジアム」にするや、折口氏も今期から西武ドームの命名権を獲得し「グッドウィルドーム」にした。不祥事まで後追いすることはなかろうが、今回のフルキャスト業務停止に関連して、証券取引等監視委員会(SESC)や関係筋が処分前のフルキャスト株の値動きを調べ始めた。処分2日前(8月1日)の同社株は終値が11万1000円と、前日比1万9000円安(出来高8056株)。下落率14.6%で、当日の全市場における値下がり率のトップだった。「売り方は当局の処分情報を入手していたようだ。実にわかりやすいインサイダー疑惑じゃないか」と、複数の市場関係者が指摘している。

   

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