2007年8月号 BUSINESS [ビジネス・インサイド]
神奈川基盤の家電量販店ノジマが生き残りを懸け、秋葉原発祥の老舗、ラオックスの買収に乗り出す模様だ。業界トップのヤマダ電機など大手の買収攻勢に危機感を強め、筆頭株主である創業家の野島廣司会長が6月末に社長に復帰し、M&Aに活路を求める。
家電業界では、先にヤマダ電機が「ぷれっそホールディングス」を買収し、マツヤデンキ(大阪)やサトームセン(東京)、星電社(神戸)を傘下に収めた。大手以外の量販店は草刈り場と化し、「買収防衛には時価総額を高めるしかない」(投資銀行)といわれる。
一方、ラオックスは黒字転換が遅れるなど、筆頭株主の国内系ファンドMKSパートナーズも再建に手間取っている。MKSも「ノジマのラブコールは渡りに船」(関係者)と正式に売却先の選定手続きに入る見通しだ。
もともとノジマはM&Aに積極的で、これまでにタワーレコードから音楽・映像ソフトの販売子会社「WAVE」を買収したほか、3月には新潟地盤の真電を吸収合併。野島氏の社長復帰で拡大路線に拍車が掛かりそうだ。