小沢一郎にあてつけ人事

2007年8月号 連載 [人事 HUMAN FACTOR]

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地方の中堅企業や第三セクターの再生を支援する「地域力再生機構」(仮称、来春発足)の詳細を決める研究会座長に増田寛也前岩手県知事が就任した。内閣府は「地方のニーズを把握している自治体経営経験者から選んだ」(幹部)と説明するが、増田氏は岩手県選出の小沢一郎民主党代表の仇敵。同党からは「小沢氏へのあてつけ人事」との声が漏れてくる。

建設官僚だった増田氏は1995年、小沢氏の全面的なバックアップを受けて岩手県知事に当選。三位一体改革をめぐる発言などで改革派知事の一人に数えられたが、増田氏が「主従関係」からの脱却を図ったことに小沢氏が激怒。今年の知事選では小沢氏側近の達増拓也前衆院議員を対抗馬に立てられ、4選出馬を断念した。

再生対象には小沢氏のお膝元の支援企業も含まれる可能性が高く、それだけに増田氏が影響力を持つことは厄介、「小沢さんは絶対に看過できない」と同氏側近は言う。

もし参院選で野党が過半数を得た場合、再生機構設立法案の成立は困難になり、機構の構想自体が立ち消えになることもあり得る。

   

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