緒方元長官のカギ握る投資家の「過去」

2007年8月号 DEEP [ディープ・インサイド]

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朝鮮総連中央本部の売買を舞台にした詐欺事件では、元公安調査庁長官の緒方重威容疑者らが東京地検特捜部に逮捕された。朝鮮総連の土地建物の購入資金35億円を出資すると緒方容疑者に約束したとされる、投資家森憲吾氏(41)の証言は、詐欺容疑を立件するうえでのカギとなりそうだ。なぜなら、「森氏の存在」が緒方容疑者の資金調達の根拠になっているからだ。

緒方容疑者は逮捕前に記者会見で、森氏のことについて「東京駅構内で1時間ほど話した。海外で60億円の資金を運用できると言っており、信頼できると思った」と説明。森氏は「約束をした覚えはない」としながらも、5分程度話したことは認めたという。

森氏は昨年、別の事業に絡み民事訴訟で東京地裁から1100万円の損害賠償を命じられた。2002年にクレジットカード発行会社を設立。「資本金は5億円、華僑の財団から49億円の融資を受けている」と加盟店に説明し、年会費を騙し取ったとされる。1998年ごろには、女子アナとの不倫で芸能マスコミにも騒がれた。当時は「ベテランパイロットの青年実業家」と紹介されている。

   

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