札付き「サンライズ社」を退場させた大証の怨念

2007年7月号 BUSINESS [ビジネス・インサイド]

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大阪証券取引所は5月24日、サンライズ・テクノロジー(本社・東京、旧社名・プライムシステム)のヘラクレス上場廃止を決めた。実は、大証にとってサンライズ社は、市場から退場させたくて仕方のない銘柄だった。同社は2001年2月にヘラクレス前身のナスダック・ジャパンに上場したものの業績が悪化、ファンドなどへの第三者割当増資やMSCBを連発し、04年1月に株価が何と「1円」になった。発行済株式数は一時100億株を超え、投資家から「1円買い、2円売り」の注文が殺到。マネーゲームのあおりで大証はパンク寸前となり、システム改築に追われた。05年には、ヘラクレスの新規上場申請受付を一時凍結するという失態の遠因にもなった。

大証側は「低株価の債務超過会社は上場廃止」の指針を打ち出したが、サンライズ社は1千株を1株に併合、第三者割当増資などなりふり構わぬ奇策で応酬。ここ数年、大証はサンライズ社に振り回され続けた。

ただし、今回の大証の上場廃止の判断は、改善報告書提出ルールの解釈上では若干グレーな部分がある。大証が同社の上場廃止を決定した前日、東証がマザーズの第一号の「インターネット総研」を上場廃止にしている。この動きに便乗した、どさくさ紛れの処理との感も否めない。

   

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