政治献金で温度差積極的な三菱に迷うみずほ

2007年1月号 BUSINESS [ビジネス・インサイド]

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 政治献金の再開について、メガバンク間に温度差がある。日本経団連から直接要請を受けた全国銀行協会の会長行である三菱東京UFJ銀行は積極派だ。同行会長の三木繁光氏は経団連副会長。三木氏は07年5月の任期満了後、経団連の評議員会副議長か議長を狙っているとされ、その功績作りとして献金再開を目論む。

 これに対し、みずほフィナンシャルグループの前田晃伸社長は「一人で悩んでいるところ」と語っている。みずほは1兆円増資の際の優先株が07年夏には普通株に切り替わるため、株式の希薄化が起こり、株価が下がる。「株主へ恩返しする前に政治献金を出せば批判を受ける」(みずほ関係者)。一方で、前田氏は御手洗冨士夫・経団連会長とは大分県出身の同郷。御手洗氏を「尊敬する経営者」に挙げており、御手洗氏の面子はつぶせない。前田氏は三木氏の後任として銀行枠の経団連副会長就任が有力とみられているだけに、自身の面子もある。

   

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