糸山氏の「男のロマン」にたじたじの日経社長

2006年11月号 BUSINESS [ビジネス・インサイド]

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 糸山英太郎氏がテレビ東京株を買い進めている。本人名義と会社名義を合わせて持ち株比率は、9月20日に5.09%となり、日本経済新聞社に次ぐ第2位の大株主に躍り出た。さらに、2週間後の10月4日には6・15%に達した。周辺関係者は「10%超えを視野に入れている」と言い、テレビ東京側は神経を尖らせている。

 糸山氏のテレ東株取得は、同氏がスポンサーになった番組制作に際してテレ東が挨拶を欠いたことに立腹したのがきっかけ。さらに契約書の不備などルーズな対応が火に油を注いだ。慌てたテレ東は菅谷定彦社長が糸山氏を訪問して謝罪。「大口スポンサーに礼を失した」との理由で、役員2人を厳重注意、部長1人を戒告処分にする「土下座ぶり」だが、糸山氏の怒りは収まらない。

 親会社の日経も戦々恐々だ。社員のインサイダー事件など不祥事が後を絶たないだけに、糸山氏の攻撃の矛先が親元にも向けられる気配を察知している。糸山氏は“暴露ブログ”として広く読まれている自身のホームページで、「日経新聞も糺す」と“宣戦布告”。日経の杉田亮毅社長に「考えをきかせてほしい」と“直球”を投げ込んだ。

 周辺関係者によれば、「男のロマンとして、JALとテレ東といえば糸山といわれる存在であり続けたい」というのが糸山氏の最近の口癖という。

   

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