振興銀行に業務改善命令金融庁とやりあう木村剛

2006年9月号 BUSINESS [ビジネス・インサイド]

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 日本振興銀行(木村剛会長)に対する金融庁の行政処分が秒読み段階に入った。当局は立ち入り検査を通じ、木村氏の親族に対する低利融資などの実態を把握しており、コンプライアンス(法令順守)体制の確立を迫る業務改善命令を発動する見通しだ。

 今回の処分はプロローグに過ぎない。振興銀は04年4月に大口定期預金を掻き集め、営業開始。今後、満期時にロールオーバーされないと、同行の資金繰りは一気に苦しくなる。このため金融庁の関心は07年3月期決算に向き、来春は銀行存続をかけて当局と木村氏が攻防を展開しそうだ。

 日銀も振興銀の動向から目が離せない。同行が処分を受ければ、福井俊彦総裁と木村氏の親密関係が再び脚光を浴びるためだ。福井氏は日銀時代の木村氏の仲人を務め、同氏が主宰する経済誌「フィナンシャル ジャパン」の04年12月創刊号には写真付きで登場した。村上ファンド出資問題への批判が根強い中で、日銀は「総裁の進退問題が蒸し返されるのでは」(幹部)と危機感を募らせている。

 一方、木村氏は検査や処分をめぐる折衝で、自ら当局に乗り込み、強気の姿勢を崩していない。7月には事務局長を務める「金融イノベーション会議」の活動を再開、金融庁に「金融商品の利用者保護」に関する意見書を提出するなど戦闘意欲は衰えていない。

   

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