「ゾンビ救済」JICを恒久機関化

JSR国有化の背後には「経済安保」を声高に叫び、その利権化を目論む一部の政治家と官僚グループが蠢く。

2024年5月号 BUSINESS

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官製ファンド「産業革新投資機構(JIC)」が恒久化される。政府が今国会に提出した産業競争力強化法の改正案が可決されれば、「2034年3月末まで」とされてきたJICの運用期限が「2050年3月末まで」延長される。事実上の恒久化だ。JICは何兆円もの税金を政府の裁量で個別企業に注入できる「ゾンビ救済機関」であり、その恒久化は亡国への道だが、自民党の裏金問題一色の国会は、野党もこの改正案の重大さに気づかない。

JICは「打ち出の小槌」

ゾンビは英語で「リビング・デッド(生ける屍)」。10年連続赤字が確定しているジャパンディスプレイ(JDI)、既に経営破綻したJOLED……JICは数々の「生ける屍」を助けてきた。ハリウッドのホラー映画では、ゾンビに噛みつかれた人間はゾンビになる。今回、JICが9千億円規模でTOB(株式の公開買い付け)をかけて上場を廃止するJSRも同じパターンだ。JSRは半導体の生産に不可欠なフォト ………

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