「ポリクライシス」から如何に国民を守るか/評論家・中野剛志

世界は「平時」どころか、「非常時」が常態化する「ポリクライシス」へと移行した。根本的に解決する手段は、ほぼない。

2023年12月号 POLITICS [ポリクライシス]

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「経済対策」を議論する十月十日の経済財政諮問会議で、財政規律派と目される中空麻奈議員(BNPパリパ証券)は、「コロナ禍から脱し、財政を平時に戻すタイミング」であると発言した。これに対して、鈴木俊一財務大臣も「経済対策については、物価対策は激変緩和措置であるという趣旨を明確化し、平時を見据えたものにすること……など、非常に貴重な提言を頂いた」と述べている。この中空という民間議員は、例によって、政府の事務方から振り付けられていた通りに発言しているのであろう。実際、すでに昨年の十一月には、財務省の財政制度等審議会が「令和五年度予算の編成等に関する建議」において、「日本も、新型コロナ対策として前例のない大規模な財政措置を講じてきたが、今まさに例外から脱却し、平時への移行を図るべきタイミングである」と提言していた。しかし、今が「平時」への移行を図るタ ………

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