地元とトラブル続き「三井石油開発」

事故直後に隠蔽。その後の対応で火に油。過去のトラブルも発覚。会社存続すら危うい。

2023年9月号 BUSINESS

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冬は外国人に人気のスキーリゾートとして賑わう北海道ニセコ地域。外国資本がこぞって宿泊施設を建設するリゾートエリアの奥に位置する蘭越町の温泉施設の周辺で、6月29日午前から突如として「ゴーッ」といううなりとともに、地下からの激しい蒸気の噴出が始まった。

過去に例のない違法伐採

周辺のニセコ山系では三井物産の100%子会社、三井石油開発が2016年から地熱資源の開発に取り組んでいる。19年から地下資源の量を見極めるための試掘を進めており、蒸気噴出が起こった場所では6月25日から新たな蒸気井の掘削が始まっていた。蒸気が噴出したのは地下216メートルほどと比較的浅い地点からだった。突然の噴気があっても安全に押さえ込めるようにする「防噴装置」がこの日の掘削装置には付いていなかった。一部にはこの「防噴装置の不備」を疑問視する報道もあるが、そこを責めるのは酷というものだろう。これまでの周辺 ………

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