三井住友トラストの恥部 「カストディ銀行」で特別背任

「預かり資産約650兆円」日本最大の資産管理銀行の前社長、田中嘉一の悪だくみの数々。見て見ぬふりの母体行も隠蔽工作に加担か。

2023年7月号 BUSINESS

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「信じて託す」の精神はどこに消えたのか――。顧客の信頼を根底から裏切る不祥事が明らかになった。国内最大の資産管理銀行の社長が、特別背任に該当する不正行為を行っていたことが、行内調査で判明したのだ。舞台となったのは、日本カストディ銀行(CBJ)。一般には馴染みが薄いが、株主には三井住友トラスト・ホールディングス(TH)やみずほフィナンシャルグループ、その他生保など有力金融機関が名を連ねる。機関投資家が運用する有価証券を預かり、売買や配当金の計算などの決済・管理業務を代わって行う専門銀行だ。事務が主体の地味な存在だが、預かり資産は約650兆円。三菱UFJ系の同業である日本マスタートラスト信託銀行と並び市場機能を根幹で支える「社会的公器」(同社HP)である。

傲岸不遜な「常陰の番犬」

同社は6月9日、「元取締役による不正行為について」と題したリリースを開示した。ところが、本文を読んで ………

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