インタビュー/「日本維新の会」幹事長 藤田 文武氏(聞き手/本誌編集長 宮嶋巌)

自民に代わり得る選択肢は維新しかない

2023年6月号 POLITICS [キーパーソンに聞く!]

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大阪府生まれ、42歳。筑波大体育専門学群卒。豪州でスポーツマネジメントを学び、ベンチャー企業役員を経て2010年にスポーツ・健康関連企業を設立。19年衆院初当選(大阪12区、2期目)。21年11月より現職。

――統一地方選で地方議員と首長の合計が774人となり、馬場伸幸代表が進退をかけていた「600名」の目標を大きく上回った。

藤田 21年11月に幹事長に就いた僕は、翌年3月の「中期経営計画」策定で<「ベンチャー企業、地域限定企業」から「上場準備、全国展開企業」への戦略的飛躍>を目指す実行戦略を打ち出しました。結果は昨年の参院選勝利に続き、今回の地方選で掲げた数値目標を達成できた。初当選から2年に満たない幹事長起用は大抜擢であり、自分の必死さから得意な分野で貢献したいと思いました。僕は10年近くベンチャーの経営実務をやって来たから伸びる会社とダメになる会社の見分けがつく。それを政治に置き換えて<古い政治を壊し、新しい政治を創る「中期経営計画」>と銘打ち、ホップ(参院選)、ステップ(統一地方選)で短期目標を達成し、ジャンプ(次期総選挙)で「野党第一党を獲得!」という中期目標を掲げたら、馬場代表が「ベンチャー魂の中期経営計画か、面白いなぁ」と、背中を押してくれました。当初、皆さんが「目標のハードルが高い」といわはったが、僕にはホップ、ステップは必ずやれる確信があった。一方、次のジャンプは容易ならざる難関と覚悟しています。

――政治家を志したのは?

藤田 実は大学時代からなりたいと思っていました。きっかけは父から「立派な国立大学に入ったのだからしっかり勉強して、将来は世の中のために働きなさい」という熱い手紙をもらったことです。

――お父上から熱い手紙ですか。

藤田 父は関西大学空手部が強かった時の主将で接骨院と空手道場を営みながら、一派を立てて道場を全国に展開していたこともあり、質実剛健を絵に描いたような、とにかく怖い親父でした。オーストラリア、ニュージーランドに留学したのも、ラグビーの本場でスポーツビジネスを学び、政治家に挑戦する前に、まず経営者になろうと考えたからです。

――若くしてスポーツ・健康分野の㈱KTAJを創業しました。

藤田 前年に父を亡くし(享年59)、はやる思いで独立しました。

――同社HPには「すべての基は人」、企業理念は「共生経営」「高徳経営」「公益経営」とあリます。

藤田 父は西郷さんが大好きで「敬天愛人」の書を飾っていました。KTAJは、そのアルファベット表記にちなんだものですが、ベンチャー経営は険しい道のりでした。連帯保証したり倒産しかかったこともあります。今も代表取締役社長ではありますが、実務は全て後継体制に任せています。

――巷間では国会終盤の「6月解散」が取り沙汰されています。

藤田 世の中には不満がいっぱいあるのに、本来、自公政権の受け皿になるはずの立憲に期待できないから、大阪での実績が評価された維新への期待と支持が、関西限定ではなく東京、神奈川など都心部へも急速に広がっています。

統一地方選の開票翌日から、全ての衆院選挙区で候補者擁立を目指して人材発掘プロジェクトをスタートさせました。我々は憲法改正や防衛・安保・エネルギー政策などで自民党と似た保守思想を持つ一方で、自民党にはないアイデンティティを持っている。それはベンチャー精神であり、身を切る改革であり、意思決定の速さです。

この激動期に膠着した巨大企業か、伸び盛りのベンチャー企業か、どちらが日本の経済社会に貢献できるのか――。自民党に代わり得る選択肢は、まともな政策論争ができる維新しかない。有為有能な候補者を如何に擁立し、全国に期待の波を広げることができるか。勝負の分かれ目になります。

(聞き手/本誌編集長 宮嶋巌)

   

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