習近平 反米「盟主」路線の死角

政権3期目に入り対ロシアや中東外交で影響力を誇示。しかし、長期的には経済発展にマイナスだ。

2023年5月号 POLITICS

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3月の中国全国人民代表大会(全人代=国会)で体制が整った3期目の習近平政権は、外交面で順調な滑り出しを見せた。昨年、ウクライナ戦争への対応で四苦八苦していたのがうそのようだ。政治・軍事において、旧ソ連時代からロシアは中国にとって、兄であり、師だった。中ソ対立の時代もあったが、相手を威圧していたのはソ連側だった。また、習近平国家主席個人も、独裁者として長年君臨するプーチン大統領を手本としてきた。しかし、ロシアは侵略戦争の泥沼にはまり、米国などの経済制裁による打撃もあって、衰弱した。中国は今や対ロ関係で優位に立ち、反米陣営の盟主となった感がある。「中国はプーチンのロシアに対し、“ビッグブラザー”の地位を固めた」(仏AFP通信)、「ロシアは中国の“ジュニアパートナー”になった」(英紙フィナンシャル・タイムズ)。欧州などの有力メディアは、3月20~22日の習 ………

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