習近平が「報復」統制強化の不穏

「デモが起きたから、ゼロコロナをやめます」ではメンツ丸つぶれ。デモ騒動が再び頻発した場合、どう対処するのか。

2023年1月号 POLITICS [脆弱性を露呈]

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「習近平辞めろ!」。インターネット上で出回った中国・上海のデモ隊の叫びは国内外に衝撃を与えた。反発の原因は、新型コロナウイルスを完全に封じ込めるため、経済・社会活動への悪影響を無視して強行されてきた極端な「ゼロコロナ」政策。民主化運動が武力で弾圧された1989年の天安門事件以後、全国各地でこれほど多くの反政府デモが起きたのは初めて。最高指導者の退陣を求める声が広く伝えられたのも極めて異例だ。習近平国家主席は自分の共産党総書記続投を決めた10月後半の第20回党大会で李克強首相、政治協商会議(政協)の汪洋主席、胡春華副首相ら非主流派を党指導部から追い出し、中国ウオッチャーたちの予想をことごとく覆す人事刷新を強行した。このような粛清人事は、天安門事件を機に当時の趙紫陽総書記や次期総書記候補だった党中央書記局の胡啓立筆頭書記ら改革派が失脚して以来のこと ………

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