軍隊の「強者」像を変えたレジリエンス

自衛隊の強みは伝統的「男性性」の発露ではなく、災害時の復興支援に象徴される「女性性」にある。

2022年12月号 POLITICS

  • はてなブックマークに追加

ジョン・ランボーは涙ながらに叫んでいた。『戦争は終わっていない』と。米国ではベトナム戦争以降、戦争関連ストレスの問題は極めて深刻である。2018年時のレビュー論文によると、退役軍人は米国人口の約7%を占め、2200万人を超える。このうち年間200万人以上がPTSDの他、うつ病、不安障害、薬物乱用などを理由に退役軍人省のメンタルへルスケアを受けている。退役軍人一人当たりの医療費は8300ドル(日本円で120万円超)にのぼる。また、社会問題としてはホームレスの10人に1人が退役軍人であり、退役軍人のDVは一般人の6倍、さらに帰還兵・退役軍人の自殺率が一般人を有意に上回ることも示されている。一方で20年間に渡るアフガニスタン・イラク戦争では、このような戦争関連ストレスに対する二次・三次予防対策が飛躍的に進歩した。すなわち、PTSDのバイオマーカー研究、薬物療法の革新的アプロー ………

ログイン

オンラインサービスをご利用いただくには会員認証が必要です。
IDとパスワードをご入力のうえ、ログインしてください。

FACTA onlineは購読者限定のオンライン会員サービス(無料)です。年間定期購読をご契約の方は「最新号含む過去12号分の記事全文」を閲覧いただけます。オンライン会員登録がお済みでない方はこちらからお手続きください(※オンライン会員サービスの詳細はこちらをご覧ください)。