ネットバブルを彷彿させる事態を助長する空箱上場。欧米メディアは気づき始めている。
2021年5月号 BUSINESS
「自動車大手の独フォルクスワーゲン(VW)が社名を『ボルツワーゲン』に変更へ」――。3月29日、一部の欧米メディアがこんな記事を掲載した。ボルツは電圧を表す単位ボルトの複数形で、英語表記では「k」を「t」に置き換えるだけだ。電気自動車(EV)に注力する姿勢を示すためという解説とともに一気に拡散した。
ところがほどなくして、VW米国法人が3日後のエイプリールフールのために用意したジョークであることが発覚する。真に受けた報道機関や証券会社の担当者は「不誠実だ」と怒り心頭だが、図らずもメディアや株式市場のEVに対する前のめりな姿勢を浮き彫りにすることになった。米国はトランプ前大統領が政権の座から去ってバイデン大統領が就任すると即座に、地球温暖化防止の国際的な枠組みであるパリ協定に復帰した。バイデン氏は大統領選の最中から連邦政府機関が保有する車両のEV化や充電 ………
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